2011-10-08

175 Model

モデルと言ってもファッションでもM&Aのバリュエーションでもない、建築の模型です。

建築を志し、その後諦め、それからしばらく経った今も建築への変わらない好奇心と、同時に職業としてはやはり向いていなかったことを妙に再確認することがあります。建築模型は後者です。なぜなら、模型の展示を見ても一体どこをどう見たらいいのかわからないからです。

模型にアゴを乗せんばかりに身をかがめて内部を凝視している人は、建物の中の造形や光線を疑似体験しているのでしょう。少し離れて腕組みなんかしながらぐるっと回って眺めている人は、建物全体のバランスや面白さに見入っているのでしょう。

しかし、ひとたび設計のプロセスとしての役割を終えた模型を見てもどこに熱中すればよいのか分からず、戸惑いながら歩きまわってみて思うのは、リアルな「建築体験」と模型の楽しみ方はきっと全然別のものだろうということです。でなければ、模型を見るだけでリアルな建築体験につながるような、なにか驚くような観察方法がそこにあるに違いないのです。

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