2010-08-09

74 "Perception"

真夏の太陽に照らされる景色が、あまりに色鮮やか過ぎて現実離れしてみえるときがあります。

ほとんどCG?
そんな写真を眺めているうち、くだらないSF映画のプロットを思いつきました。

ある日世界が突然に色彩を変えてしまう。というより実は人間の色彩認識が変わってしまうのだが、赤は緑に、緑はオレンジに、青は黄色に、水色が紫に、黄色は黒に、白は金色に、橙色は緑色に、突然すべての色が変わってみえてしまう。人間、大パニック。(注:ここで変わってしまうのは全人類なのか一部の人間なのか、たったひとりなのか、それによって映画の展開はずいぶん変わります。全人類だと妙に壮大な話になって、確実に宇宙人が出てきます。一部の人間たちだと、対立したりバラバラになったり助け合ったりしつつ、タイムトラベルまたは超能力ものに落ち着きます。たった一人の場合は、もう間違いなく陰謀もので、大統領とか、相棒になる犬とかが出てきて、最後はダイ・ハード。)

海は砂漠のように見え、朝か夜かもわからず、虹はどういうわけかモノクロ。そんな世界に変わってしまったら一歩踏み出しただけで酔っちゃいそうですが、そこは映画なので、なぜかだんだん適応してきてしまう人間。「でもやっぱりコーヒーの色をしたコーヒーを飲みたい!」(注:ビールでもウィスキーでもいいんですが)とがんばる人がいて、ようやく不思議の国から抜け出すと、今度は色彩の全くない世界に。それはいったいどんな映像になるのか考えてみましたが、どうも色を塗る前の塗り絵みたいな世界になるのではと思います。

これはこれでいただけないぞ、と思ったところ、起承転結の転はすぐにやってきて、今度は”ミダス王の色彩版”、つまり触れるものすべてが好きな色に変わりだす。最初は面白かったけれど、そのうち正しい色ってそもそもなんだったろう?と哲学的な疑問に迫られる。

一体この映画、どうオチをつけるつもりなのかと観客が呆れてこないうちに、万事都合よく元の世界へのつながりを発見。たとえば、もともと色彩のない透明な水とか、そういうものを手掛かりに。無事に戻れただけで別にいいのに、自分の不思議な体験を作品にして発表して大成功しちゃうとか、そのおかげで以前別れた恋人が戻ってきたとか、そんなエンディングも適当に加えてTHE END。

真面目に、知的に、夢の世界を描いた「Inception」を観たためか、ちょっと影響されてしまったようです(でも、考え付いたのはこんなくだらないSFですが)。

No comments:

Post a Comment