2013-04-07

319 Google

ウェブで検索すること、調べることがごく日常の動作となり、今やほとんどの人にとって電話帳を開くことも、ピザ屋のオーダーメニューを取っておくことも、地図帳を置いておくことも必要なくなりました。しかしそれでも、何か知りたいことをネットで調べるのは媒体が変わっただけで、電話帳を開くことと本質的に意味は変わりませんでした。

ところがGoogleのインスタント検索、いわゆる予測検索機能というものは(”予測”のセンスは面白いやら当惑するやら色々ですが)、「調べ物」の概念を変えてしまいました。自分が探すものを見つけられたら終わりだったものが、この機能は自分の調べ物がどのくらい「みんなの調べ物」と一致しているのかを、たちどころに知らしめるという妙な力があります。

詳しい仕組みはわかりませんが、ある言葉につられて自動的に出てくる言葉は、大多数の人が検索したがっているものを示すという一種の統計の役割を果たしているようです。本来の目的は検索キーワードを考えて入力する時間をセーブするためですが(そんな時間さえも節約したいというのも、時にどうかと思いますが)、その言葉に違わず、キーワードを考えることもなく非常に効率的な検索ができてしまう一方、ある言葉について誰もが同じことを調べようとしていると判ってしまうのです。こうなると新聞の見出しのようなもので、予測検索の表示を見るだけで、わざわざサイトを見なくても何が話題になっているのか大体掴めてしまうのです。便利と言えば便利でしょう。

これまでで最も笑ったのは、ガラス瓶のフタが開かずに困って、開ける方法を調べようとした時でした。「瓶のフタ」と打ち込むやいなや、大多数の人々の統計的な声として、一斉に「瓶のフタが開かない」「瓶のフタの開け方」「瓶のフタが開かなくて困る」…。

No comments:

Post a Comment