ところで6編の小説を繰り返し読んでいると、これが当時の時代背景なのでしょうか、登場人物には非常に頻繁に同じ名前が与えられています。Frances(Fanny)、Elizabeth、Elinor(Eleanor)、Anne、Catherineというそれぞれの主人公の名は必ず別の作品にも登場します。例外はEmmaだけで、この名は他にどこにもないところを見ると何か特別な思い入れがあったのではないかと深読みしたくなります。実際、Emmaだけは他の主人公と異なり経済的・社会的に非常に恵まれた地位にあり、従い結婚も求めず超然と気ままに振る舞う人物です。一方、作者自身の名であるJaneなどはあたかも平凡な名であるかのように何とも無造作に幾つもの作品で出会います。他にもCharlotte、Isabella、Mary、男性名であればCharles、Henry、John、Tom、James、Williamなど複数の人物に使われる名の例は枚挙に暇がありません。
(尤も一度しか使われていない名前ももちろん沢山あります。Henrietta、Giorgiana、Julia、Susan、Marianne、Harriet、Lydia、Carolineなど。)
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