2016-02-16

612 Paddington

ほぼ全ての記事を英語で書いているのに、映画の感想だけは日本語で書くということに特に理由はなく、何故かそうするのがしっくりくるというだけなのですが、おそらくそれは自分の中から何か考えたりアイディアを掴んだり、独り言を言うのは英語が多いのに対して、外からの刺激として受けた映画に対する感情は、自分の考え事や分析とは少し違う部分で言葉が動いている感覚があるためです。

それはさておき"Paddington"は、クマのぬいぐるみから生まれた絵本のキャラクターを映画化したもので、至ってのどかでコミカルなファミリー映画の体を取りながら、「ペルーから家を求めてやって来たクマ」がロンドンで家族を見出すまでの、互いの困惑から共感と信頼が築かれるまでを妥協なく描いている点、見応えのある作品です。それに加えて、クマのぬいぐるみに着想を得た絵本のキャラクターが、その温かみや可愛らしさを維持したままリアルな子熊の姿で現れた上に、駅で紳士な会話をしてみたかと思うと、野生のクマっぽくジャムを平らげてみたり、都会の雨に打たれてションボリしてみたり、目の表情ひとつで豊かな感情を示したりと一時も目が離せません。パディントンベアからテディベアまで世界中の子供達に愛される「クマのぬいぐるみ」。その人懐こい温かい魅力は不変で、理屈ぬきで他のどの動物よりも何よりの「親友」として選ばれ続けているのです。

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