最初から最後まで、すべてが名場面と言えるほど丁寧に作られ、わざとらしさや無駄も一切なく、ただ楽しい気持ちの純度がずっと保たれるという奇跡的な映画です。中でも痛快な場面といえば、あわやスピード違反で検挙されそうになったところを悪ふざけで逃げおおせた2人が、その成功を祝ってEarth, Wind & Fireの"September"を大音量でかけながら車を飛ばすシーンです。 首から下が動けない車椅子の紳士が、ただ首を縦に振るだけで見事に音楽に乗り、その心中の喝采が聞こえてくるような躍動感を見せてくれるのです。曲で場面が引き立つことはよくありますが、ここではこのミニマムな動きが曲の魅力をさらにかき立てるという、不思議な力のこもった場面です。
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