516 Captain America: The Winter Soldier

MARVELから放たれる一連の映画の中で、Captain America : The Winter Soldierはアメコミ映画という括りを一切忘れて、本当に面白く、スリルとアクションに溢れ、映画を観る驚きと興奮に忠実に作られた傑作と言えるでしょう。ギャグと笑いのスパイスが大規模な（派手な）アクションを引き立てたAvengersも愉快な出来ですが、The Winter Soldierはそもそもがコミックの世界のヒーローという荒唐無稽さを殆ど忘れさせるようなリアルな映像と語り口が高く評価されています。ポリティカル・サスペンスやスパイ・アクションとしても成立するクオリティの高さですが、中でもやはりアクションは白眉と評して良く、プロの格闘家と互角の戦いを演じられるほどリアルに鍛え抜かれた俳優の身体能力、戦闘や爆発シーンでも、単なる迫力だけでなく繊細なスリルを感じさせるアクションシーンなど、全てにおいて際立っています。船上の潜入作戦から、エレベーター内の格闘、カーチェイス、銃撃戦、接近戦、巨大な空母を駆け巡るクライマックスの攻撃まで、アクションシーンの為にだけでも見返したくなるほどアクションが抜群に素晴らしい上、名優を配し、主役のソルジャーとスパイの役柄に相応しく終始最小限のセリフ、抑えた感情の描き方も見所です。