”i---”で始まるありとあらゆるガジェットや携帯電話から離れた休息の日々は、自分で作るしかありません。携帯のつながらない島かどこかに行くのも良いですが、行ったとたん電話をかけたくなるようなことが起きたりします。ただ何もしないのも手ですが、何もしないよりもっと解放的で、楽しくて、ためになる方法は幾つでも挙げられます。
No.1 自転車掃除
休日の朝、バケツ一杯の水と布巾があれば十分です。自転車というのは車ほど大きすぎず、30分か40分ほども掃除に没頭するにはちょうどいい持ち物です。パーツがすべて外に出ているため、何となく拭いているうちにいつのまにかすみずみまできれいになっているのです。構造が単純なわりに、ペダルあり、サドルあり、ライトあり、タイヤあり、ブレーキあり、チェーンありと紆余曲折、うまいこと飽きないようになっているのも魅力です。
No.2 皮革製品の手入れ
靴でも鞄でも財布でも何でもいいのですが、手入れをした方がよさそうなものが一つや二つあるでしょう。この楽しみは汚れ落としと補修クリームとつや出しを買ってくるところから始まります。どれもこれも種類がたくさんある上に、専用ブラシだのクロスだのスプレーだのも揃っています(これに比べれば歯磨きクリームの種類なんてものの数ではありません)。実際、皮製品の手入れは複雑です。でも手の中で磨きはじめれば、まるで熟練した職人のような気分にすぐなれます。
No.3 エア・ギターを弾く
馬鹿馬鹿しい、と思うかもしれません。まあ確かに自転車掃除や靴磨きと違って何の役にも立たないのですが、歌が歌えなくても、ギターが弾けなくても、ただその物真似をすることが世界選手権にまでなるほど人気があるなら、ちょっと試してみたって害はないでしょう。弾いてみれば分かりますがこれが結構むずかしい。それらしく構えて見せるのはもちろん、動きをギターの音色に完全に一致させるのは素人技ではありません。
つまり手を動かし、手を使うことを実感できれば何でもいいのです。キーボードをたたいたり、ボタンを押したり、ディスプレイを滑らせたりするための手をいったん頭から追いやって、自分の手が本来いかによく動き、繊細な働きをするか確認できたなら。それは実に解放的な気分です。
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