2013-01-03

302 Glass Design in Finland


  新年を迎え、折良くフィンランドのガラスデザイン展を観に行くことができました。以前の記事でも書いたことがありますが、長年iittalaのグラスを愛用しており興味がありました。北欧デザインの中でもフィンランド、それもガラスに的を絞った展示はそのデザインの歴史が非常に明快に伝わり、またガラスの透明感ある美しい光景を飽きずに眺めていられるもので、新年の気分にはふさわしく、見ごたえあるものでした。

デザインに関心があるといっても、ラベルを貼って陳列されたものをぐるぐると観て回る展覧会は実はあまり好みません。すぐれたデザインは使ってみたり触ってみたりして、あるいはそれが使われるべき場所に置かれることで本来の機能と魅力を発揮するものと考えているためです。それでもこの展示については、その中の一部を自分が使っているからか、展示の仕方が巧いのか、それともフィンランドデザインへの親しみか、ともかく終始心地よく楽しむことができました。

しかし展示でさえ伝え切れない魅力を写真と文字で表現することは難しいのです。例えば「左側の色とりどりのタンブラーはカイ・フランク、右の花瓶はアルヴァ・アアルトと、いずれもフィンランドを代表する名建築家/デザイナーの手になるもので、今日でも人気が絶えず生産されているものの一つです」と解説を加えてみたところで、あるいは「タンブラーはスタッキングできる機能性と重ねたときの色彩の美しさを兼ね備え、花瓶のユニークな波形はフィンランドの湖をモチーフにしたとされる」と知識を追加してみても、実際にこれらを使うときに自分の手や目が掴むすぐれたデザインの印象を代弁するものでもありません。

確か世紀の変わり目頃に"Virtual Reality"という言葉を良く目にしたものですが、医療や軍事の他にも、こうした日常的デザインの知覚にも応用されないか、などと突飛なことまで考えてしまいます(量産できるものならそんな面倒なことをしなくても実物を試用すればよいのですが、稀少で芸術性が高くなるとそうもいきません)。あるいは、すぐれたデザインをどう言葉で表現すればよいのか、言葉の方をもっと研究し磨く必要があるのでしょう。

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