Mr Scott Schuman, "the Sartorialist".
久しぶりに写真の本を夢中で読んで(眺めて)います。Scott Schumanというフォトグラファーが「NYの街で、すごくいいと思った人を撮影した("just wanted to take photographs of people that he met on the streets of New York he felt looked great.")」もの。
彼はその「すごくいい人達」をblogに載せていますが、その中でもお気に入りを集めた本が「The Sartorialist」。
数年前にvogueの記事で彼のことを知り、温かみがあって、限りなくナチュラルでシンプルで、何ともいえず美しい写真に魅せられました。
この本はどこを開いてもはっとするような美しさです。数々の有名人と無名人の自由でリアルで洒落たスタイルを一瞬で切り取っています。そして何より好きなのは、撮られている人達のほとんどがあたたかな笑顔で立っていること。もちろん、服の着こなし、色使い、スタイルの作り方、どこを見てもワクワクします。でもそれ以上に、人々の表情につい目が行ってしまいます(結局、誰かがお洒落なスタイリングでかっこよく立っていても、ほとんどの視線はその人の服ではなく顔に向かうのだと思います。)
よいものをよいと思えるように、自己表現する人達がこんなにいること。その空気に満ちた美しい写真を見ていると、何だか勇気が出てきます。
記事の中で、Scottについて「礼儀正しく、丁寧で、被写体とのコミュニケーションを重視する」とありました。きっとそれ以上に何かあるのでしょう。どんな被写体にカメラを向けても、こんな優しい笑顔を引き出すことができるのは。
また彼のコメントも、人の良い本質を映し出す彼の写真と同様に、丁寧でシンプルで含蓄があります。
私は写真を撮るのが大好きですが、人は撮ったことがあまりありません。街の風景や、自然の中では何がいいと思う瞬間かが自分でよく分かり、その被写体と対話するように、その一瞬を写真で切り取ろうと試みます。ですが、人を撮るときに人とどう対話をするのか、分かりませんでした。
Scottは「自分が撮る人々の全身のスタイリングが気に入ってなくてかまわない。どこか一つ、どれか一つ自分がすごくいいなと思う要素があれば」というようなことを言っています。だから、きっとこれだと思うのです。自分がいいなと思う瞬間を、そのよさがわかるように撮影すること。
Scottのような写真が撮れることが、目標になりました。
the Sartorialist (blog)
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