新年には「神話」を。
よく知られている通り、Starwarsの世界にはSFと西部劇、神話と東洋思想が反映されています。子供の頃ならいざ知らず、様々な映画を見てからふとこのシリーズを観てみると、よくこれだけの要素を盛り込んで、かつ映画として第一級のエンタテインメントに仕上げられたものだと何とも不思議な気がします。殊に最近の映画は台詞の一つ一つ、配役やカメラワークに至るまで、プロデューサーと配給会社の意向がすみずみまで徹底しているに違いないと思わせるのですが、Starwarsにはそれが全くなく、ゆえに残り時間を少しも気にすることもない悠然とした台詞まわしがあったかと思えば突然猛烈な空中戦が始まったりと、大作映画らしからぬ「マイペース」。評価の高い旧三部作と比べ、そのイントロダクションとなった新三部作は時にマイペースが過ぎて妙なリズム感に陥りはするもののどこか「神話とはこうしたものだ」と思わせる力があります。
「神話」に現代的でシャープな文学性を期待することはないですし、「神話」には編集者もいません。「神話」とは永遠で根源的な物語を鷹揚に語ってくれるものだとすると、「神話語り」を映画にしたStarwarsが他の映画と少し違う雰囲気を湛えているのはこのためでしょう。
宇宙空間に騎士物語を再現し、カウボーイアクションと禅思想、光速で駆け巡る銀河系の星々と親子の物語を結び付けて描く独特の神話はやはり見事です。
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