"It's a Wonderful Life", directed by Frank Capra, 1946
Briggsの"Father Christmas"が最初のクリスマス本だったなら、次に読んだのはディケンズの「クリスマス・キャロル」だったはずです。この不朽の名作は、歓喜に満ちた結末ゆえになんとなく楽しいお話だと思っていたのですが、大人になって読み返せば物語のほとんどは悲痛と後悔と贖罪が語られていることに驚きます。それを一気に、一点の曇りもない明るい希望に導く結末には、とてつもない力強さがあります。その次に出会ったのはケストナーの「飛ぶ教室」。これも第一級のクリスマス物語ですが、大人になって読み返す人が少ないのは残念なことです。倫理観の強いストーリーは確かに子供向きとはいえ、全編通してキルヒベルクという街のクリスマスの描写がじつに活き活きとして愉しい本なのです。
クリスマス物語なら迷わずこの3冊。クリスマスの定番は何が好みかというより、子供の時に何を与えられたか、で決まるようです。
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