それほどのコーヒー・フリークではなくとも、コーヒーを飲むお気に入りの店が誰でも1つ2つはあるでしょう。その共通点は何でしょう?流行るお店、皆に好かれるカフェの共通点とは何でしょうか。これはそう簡単ではありません。天井は高いのがいいのか?眺めがいいのか?並木道に面している?賑やかなのか、静かなのか?ガラス張りなのか?素朴な雰囲気か、それとも洗練された印象?床はウッドなのか?ラグが敷いてあってソファが置いてあるのか、ミッドセンチュリーデザインのチェアなのか?照明は暗いのか、明るいのか?音楽はかかっているのか?朝まで開いているのか、それとも朝から開いているのか?
カフェの善し悪しはそのしつらえや個性ではなく、そこが自分の居場所になるかどうかです。本来自分の場所ではないところに行って、自分の場所だと思えるのは単純でいて難しいことです。カフェはお客をそういう気分にさせるためにインテリアやコンセプトや雰囲気作りをします。
ところが、そんなことをしない"effortless"なカフェほど居心地がよいものです。先日出会ったカフェもそういう場所でした。おいしいコーヒーを注いで渡してもらったら、好きなところに座るだけ。店がそれ以上全くお客に構わないので、お客の方も気兼ねなく、思い思いにくつろげる。店内のデザインは確かに上質ですが、インテリアに凝ったカフェというより家具屋に行ったらコーヒーも飲めた、といった感じです。カフェという看板をどこかに置いてきたような感じです。居合わせたお客はそれぞれ居心地よく自分の場所におさまって、もっともらしいカフェ・タイムは忘れてただマイ・タイムを過ごしている、そんな店でした。
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